【2025年最新】あなたの家が時代遅れになる前に!子育て世代の間取りが10年で激変した驚きの理由と今すぐ取り入れたい9つのアイデア#column
この記事を読めば分かること
この記事では、北海道で約2,000棟もの住宅を取材してきた専門家が、最近10年間で子育て世代の住宅間取りがどう変化したのか、その理由と今人気のプランを中学生にも分かるように解説しています。家づくりを考えているあなたに、コンパクト化が進む中での効率的な間取り、コロナ対策で人気の要素、共働き家庭に便利な設備、そして最新のトレンドを具体例とともに紹介します。
はじめに
朝日が差し込むリビングで、お父さんはテレワークのパソコンに向かい、お母さんはキッチンで料理をしながら子どもの宿題を見ています。玄関から帰ってきた中学生の息子は、コートを脱いでシューズクローゼットに掛け、手洗いを済ませてからリビングへ。ロボット掃除機が静かに床を這いまわる中、家族の会話が心地よく響きます。
こんな風景、どこか懐かしいようで、でも新しくありませんか?
実は、この10年で子育て世代の住宅間取りは劇的に変わりました。共働き家庭の増加、少子化、男性の家事参加、そしてコロナ禍によるライフスタイルの変化。さらに建築費の高騰やインフレなど、さまざまな要因によって、私たちの「理想の家」のカタチは大きく変化しています。
あなたも家づくりを検討しているなら、「今」の時代に合った間取りや設備を知っておくことが大切です。これから建てる家が時代遅れにならないように、今回は北海道の住宅を20年間も取材してきた専門家の視点から、子育て世代に人気の間取りや設備について、詳しく解説していきます。
住宅価格は上がり、広さは減った!あなたの家づくり予算で何ができる?
朝の光が差し込む小さな平屋の家。勾配天井からの光が部屋全体を明るく照らし、24坪という限られたスペースが、不思議と広々と感じます。壁や扉を最小限にしたオープンな設計で、家族の気配を感じながらも、それぞれの居場所がある住まい。こんな工夫された小さな家が、今の時代のスタンダードになりつつあります。
ここ10年で、北海道の住宅建築費は大幅に上昇しました。2014年には坪単価60.6万円だったものが、2024年には85万円と約1.4倍に!一方で、家の広さは平均で38.7坪から35.6坪へと約3坪(6畳一部屋分)小さくなっています。
このように「より高価格で、より小さな家」という現実の中、子育て世代は限られた予算と空間で最大限の快適さを追求する必要が出てきました。そこで生まれたのが、次に紹介する様々な間取りの工夫です。
箱が小さくなると中身も変わる?コンパクト化がもたらした驚きの間取り革命
「予備室」が消えた!昔ながらの"客間"はもういらない
夕食の支度をしながらリビングを見渡すと、宿題に取り組む子どもの姿が見えます。以前なら「リビング横の予備室」で過ごしていたかもしれませんが、今ではその部屋自体がなくなりました。その代わり、窓辺のカウチとデスクが置かれたスペースが勉強コーナーになっています。
最近の住宅では、かつて一般的だった「茶の間横の客室」が姿を消し、1階は水回りとLDKだけというシンプルな構成が主流です。来客のために常に一部屋を空けておくという考え方が変わり、日常的に家族が使う空間を優先する傾向が強まっています。
子ども部屋も主寝室も"ミニサイズ"に!睡眠に特化した個室という発想
2階の廊下を歩くと、以前なら6畳だった子ども部屋が4.5~5畳に、8畳あった主寝室も6畳程度にコンパクト化されています。扉を開けると、シンプルなベッドと小さな収納だけ。クローゼットすらない部屋も増えてきました。
「寝るだけの部屋」という発想への転換です。特に都市部では、子ども部屋はクローゼット付きの6畳から4.5~5畳へ、主寝室はウォークインクローゼット付きの8畳から6畳へと小さくなる傾向があります。個室にクローゼットを設けず、2階は主に就寝のためだけのスペースとする考え方も一般的になってきました。
「ファミリークローゼット」の登場!洗濯物が一気に片付く魔法の空間
洗濯機のそばにある大きなクローゼットの扉を開けると、家族全員の衣類がきれいに整理されています。朝の支度も、帰宅後の片付けも、ここで一度に済ませられるなんて便利ですね。
個室のクローゼットがなくなった代わりに登場したのが「ファミリークローゼット」です。家族全員の衣類をまとめて収納するこのスペースは、洗濯室(ランドリールーム)の近くに配置されることが多く、家事の効率が格段にアップします。衣類の管理が一箇所にまとまり、子どもの成長に合わせた衣類の入れ替えも簡単になりました。
さらに進化!「ウォークスルー・クローゼット」で無駄なく快適に
主寝室から廊下に出るとき、あなたは自然とクローゼットの中を通ります。両側の壁には衣類がきれいに収納され、通路としても収納としても機能する不思議な空間。これが「ウォークスルー・クローゼット」です。
通路とクローゼットを兼用したこの省スペース設計は、限られた面積を最大限に活用するアイデアとして注目されています。回遊できる動線設計により、使い勝手も良く、スペースの無駄がありません。
水回りは2階に!1階プランの自由度が広がる逆転の発想
1階に降りると、広々としたLDKと玄関だけ。お風呂やトイレはどこ?実は、それらはすべて2階に配置されているのです。
狭小地や限られた予算の中で1階プランの自由度を高めるため、2階にユーティリティ(洗面所)と風呂を配置するプランも増えています。これにより、1階を家族のコミュニケーションスペースとして広々と使えるようになります。
書斎を共有する新しいカタチ!子どもがリビングで勉強する理由
リビングの一角には、家族が共有して使える勉強スペースがあります。夕方になると、小学生の娘さんがランドセルを置いて宿題を始め、夜には父親がノートパソコンを開いて仕事をしています。
子ども部屋が小さくなったことで、学習スペースをリビングなどの共有部分に設ける家庭が増えています。これには「子どもを個室に籠らせたくない」という親の教育方針も反映されており、家族とのコミュニケーションを大切にしながら学習できる環境づくりが重視されています。
コロナが変えた!感染対策と新しい生活様式から生まれた住まいの工夫
玄関のシューズクローゼットで外の菌をシャットアウト
放課後、友達と遊んで帰ってきた子どもたち。玄関に入るとすぐに靴を脱ぎ、上着を脱いでハンガーに掛けます。外で触れたものを室内に持ち込まない、新しい生活習慣です。
コロナ以前から徐々に普及していたシューズクローゼットですが、パンデミック以降、ウイルス対策としての役割も注目され、一層普及しました。単なる靴入れではなく、コート掛けのハンガーパイプも備えた造りになっており、外で着用した上着に付着したウイルスを室内に持ち込まないための対策にもなっています。
帰宅したらまず手洗い!玄関ホールの手洗い場が常識に
「ただいま!」と言うなり、子どもたちは玄関ホールの小さな手洗い場で手を洗います。学校から持ち帰った菌を家の中に広げない、当たり前の習慣になりました。
コロナ禍を経て、帰宅後すぐに手洗いができる設備の需要が高まりました。玄関ホールに手洗い場を設けることで、外出先で触れた物についた菌やウイルスを室内に持ち込まないようにする対策になります。また、来客用の手洗い場としても機能し、家族のプライベート空間である洗面所に来客を通さずに済むという配慮も含まれています。
テレワークに最適!小さな書斎があれば仕事も快適
リビングの奥に設けられた小さなスペース。引き戸を閉めれば、オンライン会議の声が家族に聞こえることはありません。壁には防音用のグラスウールが入っていて、集中して仕事ができる環境が整っています。
コロナ禍で一気に広まった在宅勤務に対応するため、クローズドな書斎スペースを設ける家庭が増えました。2~3畳程度の小さなスペースでも、引き戸やドアで区切られていることでプライバシーが確保され、オンライン会議などにも対応できます。防音対策を施すことで、家族の生活音を気にせず仕事に集中できる環境を実現しています。
自宅で外気を満喫!ウッドデッキやテラスでプチアウトドア
休日の午後、家族はウッドデッキでBBQを楽しんでいます。外食ができなかった時期を経て、自宅の庭やテラスが新たな「お出かけ場所」として見直されるようになりました。
コロナ禍で外出が制限されていた時期、自宅で外の空気を感じられるスペースの価値が再認識されました。ウッドデッキやテラス、インナーコートなどのアウトドア空間は、人目を気にせず家族だけで楽しめる場所として人気を集めています。BBQやガーデニングなど、自宅で趣味を楽しむ生活スタイルが定着してきました。

リラックスタイムを大切に!「ヌック」で自分だけの特別な時間
階段下のちょっとしたスペースに、小さなソファと本棚が置かれています。ここは家族と同じ空間にいながらも、少し距離を置いて自分だけの時間を過ごせる特別な場所です。
コロナ以降、特に注目されるようになったのが「ヌック」と呼ばれる小さな寛ぎスペースです。階段下の空間や窓辺などを活用したこのスペースは、読書や趣味の時間を楽しむのに最適。家族と完全に離れるわけではなく、「つかず離れず」の距離感で自分の時間を持てる場所として人気です。
共働き夫婦に朗報!家事がラクになる最新設備と間取りの秘密
みんなで料理が楽しくなる!オープンキッチンと大型食洗機の実力
週末の昼下がり、キッチンでは家族全員が料理の準備に参加しています。広々としたカウンターには親子3人が並んでも余裕があり、子どもたちは野菜を切る練習をしています。夕食後は、大型食洗機にお皿を入れるだけ。家族の会話時間が増えました。
共働き家庭では、家族全員が協力して家事をする環境づくりが重要です。オープンキッチンは、料理をしながら家族とコミュニケーションがとれるだけでなく、複数人で料理ができる広さも確保されています。また、大型食洗機の導入も一般的になり、洗い物の時間と労力を大幅に削減できるようになりました。子どもも大人も、皆で家事を分担する生活スタイルをサポートする設計です。
買い物は週に一度だけ!パントリーや保冷庫で食材をストック
キッチン横の可愛らしい下がり壁の奥には、驚くほどの食料品や日用品が整然と並んでいます。週末にまとめ買いした食材が、いつでも取り出せるように収納されています。
フルタイムで働く夫婦が増えたことで、週末にまとめ買いする家庭も増えました。そのため、大量の食品や生活雑貨を保管するパントリー(食品庫)や保冷庫を設ける住宅が増加しています。キッチン近くに配置することで、調理中にもすぐに必要な材料が取り出せる利便性を確保しています。
洗濯が一か所で完結!時短を実現する賢い間取り
洗濯機で洗った衣類を取り出し、そのまま横の物干しスペースへ。乾いた衣類はすぐ隣のファミリークローゼットへ収納できる、一直線の動線です。洗濯物を持って家中を歩き回る必要はありません。
「洗う、干す、しまう」という洗濯作業が一か所で済む間取りが人気です。ランドリールーム(洗濯室)とファミリークローゼットを近接配置することで、洗濯の効率が格段に向上します。特に、以前は各個室のクローゼットに衣類を収納していた時代と比べると、家事効率の違いは歴然としています。
さらに、天候に左右されず短時間で洗濯を完了させるため、ガス式衣類乾燥機「乾太くん」などを導入する家庭も増えています。これにより、共働き家庭でも効率良く洗濯が完了します。
お掃除はロボットにおまかせ!専用収納スペースも確保
リビングの床を静かに行き来するロボット掃除機。その帰る場所は、階段下のスペースにちょうど収まるように設計された専用の格納スペースです。
ロボット掃除機は今や多くの家庭の必需品となり、住宅設計の段階から専用の充電・収納スペースを確保することも一般的になっています。階段下などのデッドスペースを有効活用して、見えない場所に収納できるよう工夫されています。
不在時も安心!宅配ボックスで荷物受け取りの悩みを解消
帰宅すると、玄関脇の宅配ボックスに今日届いた荷物が安全に保管されています。夏でも冬でも、食品や日用品が適切な状態で受け取れます。
共働き家庭の増加や通販サービスの拡大により、留守中の荷物受け取りに対応するため、宅配ボックスを設置する家庭が増えています。特に保冷タイプは食品宅配サービスを利用する家庭に人気で、不在時でも安心して配達を受けられる環境を整えています。
未来を見据えた住まい選び!持続可能でスマートな暮らしへのシフト
階段のない生活!平屋人気の理由は老後への備え
広々とした平屋の室内には、段差や階段がなく、家族の気配を感じながら過ごせる空間が広がっています。子育て中の若い家族ですが、将来を見据えた住まいを選びました。
子育て世代でも平屋建てを選ぶ家族が増えています。理由は、子どもが独立した後の住空間の有効活用や、老後の階段の上り下りを考慮した長期的な視点にあります。平屋は2階建てよりも基礎面積が大きくなるため、同じ床面積でもコンパクトなサイズの平屋が人気です。
物を減らして暮らす!ミニマル志向の住まい
シンプルな内装の家には、必要最小限の家具だけ。家族が本当に大切にしているものだけを厳選して暮らしているため、掃除も片付けも簡単で、心にも余裕が生まれます。
最小限のモノで豊かに暮らすミニマリストの考え方が住宅設計にも影響を与えています。無駄な部屋や廊下を極力減らし、ライフステージに合わせて空間の用途を変えられる柔軟性のある間取りが好まれています。結果として、シンプルで効率的な小さな住まいが増加傾向にあります。
自然と共生する家!エコで省エネな最新住宅設備
屋根には太陽光パネルが並び、室内には蓄電池も設置されています。停電時にも安心で、電気代も節約できる自給自足の家づくりが進んでいます。
北海道では高断熱・高気密住宅が標準となった今、さらに環境に配慮した住宅設備への関心が高まっています。太陽光発電や蓄電池システムの導入、自然の空気の流れを利用した換気システムなど、エコで省エネな設備の採用が増えています。特に2018年の北海道胆振東部地震以降、災害時の備えとしての自家発電システムへの関心が高まっています。
暖房革命!エアコン一台で快適な全館暖房
壁に設置されたエアコン一台で家全体が均一に暖かく、冬の寒さも夏の暑さも快適に過ごせる住まい。暖房器具が少ないので、家具レイアウトの自由度も高まります。
北海道では長らくセントラルヒーティングが主流でしたが、最近はエアコン暖房をメインに使い、必要なときだけ補助暖房を使うスタイルも増えています。暖房機器を置くスペースが不要になり、室内レイアウトの自由度が増すメリットがあります。また、近年の北海道は夏の暑さも厳しくなっており、冷房や除湿機能も備えたエアコンは一年を通して快適な室内環境を維持できる設備として注目されています。
まとめ:あなたに合った住まいを見つけるために
この10年間で、子育て世代の住宅間取りは大きく変化しました。建築費の高騰により住宅はコンパクト化し、それに伴い間取りもより効率的で無駄のないものへと進化してきました。個室は小さくなり、家族の共有スペースを重視する傾向が強まっています。
また、コロナ禍を経て、感染対策や在宅勤務環境の整備が住宅設計に大きな影響を与えました。玄関のシューズクローゼット、手洗い場、テレワーク用書斎など、新しい生活様式に対応した要素が標準となってきています。
共働き家庭の増加により、家事効率を高める間取りや設備も進化し続けています。オープンキッチン、パントリー、ランドリールームとファミリークローゼットの連携など、時間を節約し家族で家事を分担できる仕組みが重視されています。
さらに、環境への配慮や将来を見据えた住まい選びも重要なポイントとなり、平屋住宅やエコ設備の導入、ミニマルな暮らしを支える住空間など、持続可能な住まいへの関心が高まっています。
あなたの家族にとって理想の住まいは何でしょうか?この記事を参考に、ライフスタイルや価値観に合った住まいづくりを考えてみてください。時代の流れに合わせつつも、自分たちらしさを大切にした住まいが、きっと長く快適に暮らせる家になるはずです。