理想の暮らしを形にするために。心を映すインテリアコーディネートと、その費用のすべて #column

新しい暮らしを始めたときの、あの胸の高鳴りを覚えていますか。
空っぽだった部屋にソファを置き、カーテンを掛ける。少しずつ色や形が加わっていく空間は、まるで自分だけの物語を紡いでいるようです。

けれど、ある日気づくのです。
お気に入りの家具を集めたはずなのに、どこかちぐはぐで落ち着かない。朝の光の入り方とカーテンの色が合わなかったり、ソファとラグのサイズ感が噛み合わなかったり…。

私も同じ経験をしました。家具単体は素敵でも、部屋全体としての調和を取ることは意外と難しい。色、光、動線、素材、空気感——それらをまとめ上げるのは、実は高度な作業です。

そんなとき、ふと手を差し伸べてくれる存在があります。インテリアコーディネーターです。
プロは、部屋全体のコンセプトづくりから家具選び、配置、施工まで、あなたの暮らし方に寄り添った提案をしてくれます。まるで「未来の住まい方」を一緒に描きながら、現実の形にしてくれるパートナーのような存在です。

今回は、そのインテリアコーディネートにかかる費用や仕組み、依頼先ごとの特徴、追加費用が生まれる背景、そして予算を抑えながら満足度を高める方法まで、丁寧にお伝えします。

【この記事でわかること】

・インテリアコーディネートの料金構造と算定方法
・時間単位・面積単位・パッケージ料金、それぞれの相場
・依頼先ごとの特徴と料金差
・追加費用が発生しやすいケース
・予算を抑えるための工夫と優先順位のつけ方
・信頼できるコーディネーターの選び方

a living room filled with furniture and a mirror

1. インテリアコーディネート料金の基本構造

コーディネート費用は、大きく3つの要素で成り立っています。

1. コーディネート料

テーマやコンセプトづくり、家具や照明のセレクト、色や素材の組み合わせ、図面やプラン資料の作成など。いわば「経験と知恵に対する報酬」です。空間をゼロからデザインする力は、年月と経験が培った財産です。

2. 商品代金

家具、カーテン、照明、ラグ、アートなど、実際に購入して部屋に置くアイテムの価格。選ぶブランドや品質によって大きく差が出ます。

3. 施工・設置費

家具の搬入、カーテンレールの取り付け、照明工事など、手を動かして形にする部分。安全で美しく仕上げるために欠かせない工程です。

中でもコーディネート料は、依頼範囲や空間の広さ、担当者のスキルによって変動幅が大きい項目です。

2. 料金相場と適用ケース

時間単位の料金

短時間の相談や家具選びの同行など、部分的な依頼に向いています。

  • 相場:5,000〜10,000円/時間
  • 例:家具店での購入同行(2時間で約1〜2万円)
       図面を使ったレイアウト相談(1時間5,000円〜)

面積・部屋数単位の料金

部屋全体や複数の空間を整えるときに採用されます。

  • 相場:6〜8畳で3〜8万円、LDKで10〜20万円程度
  • 例:ワンルーム(25㎡)→約5〜10万円
       2LDK(50〜60㎡)→約15〜30万円

パッケージ料金(商品込み)

家具や雑貨、照明まで含めた「まるごとプラン」。引越しや新築など、ゼロからの空間づくりに最適です。

  • 相場:30〜100万円以上(ブランドやアイテム次第)
  • 例:賃貸ワンルーム一式(家具・家電含む)→約50万円
       新築戸建てリビング+ダイニング(家具・照明・カーテン込み)→約80万円

3. 依頼先ごとの特徴と料金の傾向

独立系インテリアコーディネーター

  • フリーランスや小規模事務所が多い
  • 提案の自由度が高く、ブランドや店舗の制限が少ない
  • 中間マージンを抑えられる可能性が高い

家具・インテリアショップのサービス

  • 店舗で扱う商品から選ぶため、提案から納品までがスムーズ
  • コーディネート料が無料〜低価格になる場合も
  • 取り扱い範囲が店舗の品揃えに限定される

ハウスメーカー・リフォーム会社

  • 建築やリフォーム計画と連動できるため、間取りや造作家具まで対応可能
  • 全体費用に含まれることが多く、料金が見えにくい場合も

4. 追加費用が発生しやすいケース

  • 遠方出張:交通費や宿泊費が別途必要
  • 打ち合わせ回数の増加:当初予定を超える日数や時間が発生
  • オーダー家具や特殊加工:職人の手作業や特注素材による追加費用
  • 家具の処分や移動:廃棄・運搬にかかる費用

見積もり時に条件を明確にし、予備費を設定しておくと安心です。

5. 予算を抑えて満足度を高める方法

  • 予算上限を明確に伝える:最初に「ここまで」と決めておけば、無理な提案は避けられます。
  • 優先順位を決める:「まずはリビングから」「寝室は次の段階で」と段階的に整える方法も有効。
  • 既存家具を活用する:配置や色の工夫だけで空間の印象は大きく変わります。
  • 複数の見積もりを取る:同条件で比較すれば、価格とサービスの差が見えてきます。

6. 信頼できるコーディネーターを選ぶには

  • 実績の確認:過去の事例やポートフォリオを見て、自分の好みと合うか確かめる
  • ヒアリングの丁寧さ:暮らし方や好みをしっかり聞いてくれるか
  • スケジュールの明確化:納期や打ち合わせ回数を事前に把握
  • アフターフォロー:納品後も調整や追加相談に応じてもらえるか

7. 料金形態の比較表

依頼形態相場特徴
時間単位5,000〜10,000円/h部分的な相談や短時間のアドバイス向け
面積単位3〜8万円(6〜8畳)部屋全体を整える依頼向け
パッケージ30〜100万円以上商品込みの総合提案

まとめ

インテリアコーディネートの費用は、依頼内容や規模、依頼先によって大きく変わります。
大切なのは、「どんな暮らしをしたいか」を自分の中で明確に描き、そのイメージを共有できるパートナーを選ぶことです。お金は確かにかかりますが、その空間は毎日の景色となり、心の状態にまで影響します。
あなたの大切な時間を過ごす場所だからこそ、計画的に、そして心を込めて選びたいものです。